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社会保険の基礎知識SOCIAL  INSURANCE

被保険者の資格取得日・喪失日と保険料の控除

社会保険の資格取得日は入社日で資格喪失日は退社日の翌日になります。そして社会保険料は日割りではなく1カ月単位で徴収するため特に資格喪失月などの社会保険料の控除には、注意が必要となります。
ここでは社会保険料の控除で気を付けなければならないことを説明しています。


被保険者の資格取得日・喪失日
被保険者になったときや退職などにより被保険者でなくなったとき、事業主は年金事務所に資格取得届や資格喪失届の提出をしなければなりません。
この、被保険者になる日と、被保険者でなくなる日は、次のとおりです。

被保険者になる日(資格取得日)
@ 適用事業所に使用されるようになった日(入社日)
A 被保険者から適用除外される事由に該当しなくなった日
(日々雇い入れられる人が、1カ月を超えて引き続き使用されたときなど。)
B 使用されている事業所が適用事業所となった日
C 任意適用事業所として認可された日

被保険者でなくなる日(資格喪失日)
@ 適用事業所に使用されなくなった日の翌日(退職日の翌日)
A 死亡した日の翌日
B 被保険者から適用除外される事由に該当した日の翌日
(1週間の所定労働時間が正社員の4分の3未満になったときなど。)
C 任意適用事業所が任意脱退の認可を受けた日の翌日
※上記の資格喪失日の前日に、他の事業所で使用されて被保険者となったときなどは、
 その事由が発生した日の翌日ではなく、その日に被保険者でなくなります。

社会保険料の徴収
社会保険料は月単位(日割り計算などは行いません。)で計算されます。そして、社会保険料は被保険者資格を取得した日の属する月から喪失した日(退職日の翌日)の属する月の前月まで発生し、事業主は、毎月の給与から前月分保険料を控除することができます。
例えば、毎月15日締切当月25日支払いの会社に今年2月の16日に入社し今年8月の15日に退社した社員の社会保険料は入社月の2月分から、退職日の翌日の属する月の前月の7月分までを給料から控除し、会社負担分と併せて年金機構から毎月20日頃に郵送される「保険料納入告知書」に記入された社会社会保険料を月末までに納付することになります。
具体的には、次のように社会保険料を控除・納付するようになります。

給与支払日 給料からの社会保険料控除 保険料納付期限
3月25日支給分 2月分社会保険料を控除 2月分社会保険料は3月末日
4月25日支給分 3月分社会保険料を控除 3月分社会保険料は4月末日
5月25日支給分 4月分社会保険料を控除 4月分社会保険料は5月末日
6月25日支給分 5月分社会保険料を控除 5月分社会保険料は6月末日
7月25日支給分 6月分社会保険料を控除 6月分社会保険料は7月末日
8月25日支給分 7月分社会保険料を控除 7月分社会保険料は8月末日
※8月分の社会保険は資格喪失した日の属する月のため、社会保険料は掛かりません。

月末退社の注意点
社会保険料は前に説明したように、被保険者資格を取得した日の属する月から喪失した日(退職日の翌日)の属する月の前月まで発生します。
そのため、月末に退職した人からの控除は注意が必要で、月末に退職した人と、月末の前日に退職した人を考えると次のようになります。

10月31日に退職した人
退職日が10月31日のため、資格喪失日は退職日の翌日の11月1日になります。
社会保険料はこの人が退職した日の翌日の属する月(11月)の前月(10月)まで発生するため、この人からは10月分までの保険料を控除することになります。

10月30日に退職した人
退職日が10月30日のため、資格喪失日は退職日の翌日の10月31日になります。
社会保険料はこの人が退職した日の翌日の属する月(10月)の前月(9月)まで発生するため、この人からは9月分までの保険料を控除することになります。
そのため、この人は10月分の保険料は発生せず、9月分までの社会保険料を控除することになります。

なお、10月31日に退職した人は、10月分まで社会保険料を納めているので、翌日(11月1日)に他の会社に入社し社会保険に加入した場合を除き、11月分から国民年金及び国民健康保険に加入することになり、11月分から国民年金保険料及び国民健康保険料を納付するようになります。

10月30日に退職した人は、翌日(10月31日)に他の会社に入社し社会保険に加入した場合を除き、10月31日(退職日の翌日)に国民年金及び国民健康保険に加入することになり、10月分から国民年金保険料及び国民健康保険料を納付するようになります。

同月に入退社した場合(同月得喪)の注意点
ある月に会社に入社し社会保険に被保険者になり、その月に会社を辞めてしまい社会保険の被保険者でなくなることを「同月得喪」と言います。

社会保険料は月単位(日割り計算などは行いません。)で計算されます。そのため、1日でも社会保険に加入していたときは、1カ月分の社会保険料を納めることになります。(例えば、6月10日に入社し6月11日に退社した場合も6月分の社会保険料が掛かることになります。)

ただし、厚生年金保険については、次に該当する場合は先に喪失した厚生年金保険料の納付は不要となります。
@ 退職後、同じ月に、さらに別の会社に就職し、そこで厚生年金保険に加入した場合
A 退職後、同じ月に、国民年金に加入した場合
つまり、@の場合は後に入社した会社で厚生年金保険料を納めることになり、Aの場合は厚生年金保険料の納付は不要で、国民年金保険料を納めることになります。

同月得喪の場合は、厚生年金保険料の納付は不要とはなりますが、いったん1カ月分の厚生年金保険料の請求が来るため、まず1カ月分の厚生年金保険料を納付し、その後に年金機構から「厚生年金保険料の還付についてのお知らせ」が送付され、その後に相殺処理が行われることになります。

そのため、本人から厚生年金保険料を控除すると、後で本人に還付しなければならないため、実務的には最初から厚生年金保険料の控除をしないほうが会社の事務負担の軽減に繋がります。

なお、健康保険や介護保険にはこのような制度はないため、同月得喪であっても、1カ月分の健康保険料・介護保険料を控除することになります。

退職月に賞与を支払った場合の注意点
社会保険料は被保険者資格を取得した日の属する月から喪失した日(退職日の翌日)の属する月の前月まで発生し、事業主は、毎月の給与から前月分保険料を控除することができます。

例えば6月1日に賞与を支給した人が、6月15日に退職したような場合は、5月までの社会保険料が発生することになり、6月の社会保険料は発生しないことになり、6月1日の賞与についても社会保険料の対象にはなりません。

そのため、実務的には退職が賞与支払い前に分かっているような場合には社会保険料を控除せず、賞与の支払い後に退職の申し出があった場合には、後日、本人に還付することになります。

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