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役所調査・是正報告書の対応

労働基準監督署・年金事務所・公共職業安定所ではさまざまな調査を実施しています。そして、労働保険や社会保険の不適切な手続きや不適切な労務管理などが指摘されるとこれを是正しなければなりません。

パート社員の社会保険未加入を指摘され遡っての加入、残業代(割増賃金)の不支給を指摘され遡っての支給など多額の費用負担が必要となる場合や就業規則・三六協定書の作成・提出を指摘されるような場合もあります。

ここでは、>> 労働基準監督署の調査>> 年金事務所の調査>> 公共職業安定所の調査>> 会計検査院の調査がどのような調査を行っているのか、調査の時に準備しておく資料や>> 是正報告書の対応などのことを説明します。

阿部社会保険労務士事務所では役所調査の対応を行っています。
詳細は>> 労働基準監督署・年金事務所の調査対応へ

労働基準監督署の調査

労働基準監督署の調査は労働基準法・最低賃金法などの法律違反を是正するための調査で、監督官が定期的に行っている調査や、従業員からの通報で行う調査などがあります。

定期的に行っている調査は事前に監督署への呼び出しの通知がある場合が多く、主に次のような項目を調査されます。
・就業規則の作成・提出を行っているか
・三六協定書の作成・提出しているか
・労働条件通知書の作成・交付をしているか
・労働者名簿の作成は行われているか
・割増賃金は支払われているか
・出勤・退勤の時刻は適正に管理しているか
・安全衛生法に規定する健康診断は行われているか

そのため、就業規則・三六協定書・労働条件通知書・労働者名簿・賃金台帳・タイムカードまたは勤怠簿・健康診断報告書などの準備が必要となります。これら、準備しなければならない書類は監督署からの通知に記載されています。

従業員からの申告で行う調査は事前に通知がある場合も突然会社に調査に来る場合もありますが、監督署の監督官が従業員の申告で調査に来ましたと告げることはなく、定期的に行っている調査と同じ内容で調査をしながら、従業員から申告された内容を確認していくというケースが多いように思います。

従業員から申告では解雇・割増賃金の未払い・パワハラ・会社でのいじめなどが多いので、会社でこのような問題が生じたときは適正な対応が必要となります。また、従業員の家族などが労働基準監督署に相談に来るケースが増えているようですが、監督署は原則として従業員本人の申告で調査を始めることが多いようです。

監督署の調査の中でも割増賃金は法律上では2年間さかのぼっての支払いが必要となりますので、長距離ドライバー・不動産の営業マンなどは長時間の残業を指摘されると1人当たり百万円を超える場合もあるので、割増賃金の支払方法(定額残業制など)の検討や日ごろからの労働時間管理が必要になります。

従業員からの申告の場合や後で説明する会計検査院の調査の場合を除き、通常の調査では「割増賃金を2年間さかのぼって払いなさい。」という監督官は少ないと思いますが、監督官によってこの期間については幅があるようなので、上手な交渉が必要となる場合もあります。

また、調査で従業員に割増賃金などを支払うようになった場合は、振込の記録(写し)などを付けて是正報告書を提出するよう指導されるので、支払ったふりをして是正報告書を提出することはできません。

調査の時に是正事項が見つかったときは、素直に非は非で認めたうえで、なぜ会社が違法をしてしまったのかを素直に話し、改善に向けて努力する誠意を見せれば、「割増賃金を2年さかのぼって支払いなさい。」というような指導はされないと思います。

年金事務所の調査

年金事務所の調査は社会保険(健康保険・厚生年金保険)に関する調査を行うもので、定期的に行われる総合調査と算定基礎届提出時に行われる算定調査があります。

年金事務所の調査は、事前に年金事務所への呼び出しの通知があり、主に
・社会保険に未加入の従業員がいないか
・資格取得日は適正か
・標準報酬は適正か

を調査されます。

そのため、賃金台帳・タイムカードまたは出勤簿・労働者名簿・雇用契約書・就業規則・社会保険関係各届出書の控え・所得税徴収高計算書(源泉徴収税の領収書)などの準備が必要となります。これら、準備しなければならない書類は年金事務所からの通知に記載されています。

これは、パート・アルバイト社員などは1週間の所定労働時間・1カ月の所定労働日数が正社員の概ね4分の3以上は社会保険に加入する必要があるのに加入していないケースがある。原則として最初の出勤日が資格取得日ですが、試用期間がある会社などで試用期間を満了して、正社員に採用して資格取得届を出しているような会社がある。標準報酬月額を計算するときには交通費や割増賃金などの諸手当も含めて計算する必要があるのに、交通費などを除外して計算している会社などがあるための調査で、結局のところ社会保険料の納付に関する問題で、保険料を適正に徴収するための調査ということができます。

そのため、調査で何らかの指摘があると、ほとんどの場合は会社で保険料の追加の納付が必要となります。

社会保険料の徴収も法律上は2年間さかのぼっての支払いが必要ですが労働基準監督署の調査と同じで会計検査院の調査を除き、通常の調査では「社会保険料を2年間さかのぼって支払しなさい」という調査官は少ないと思いますが、社会保険庁が年金問題などの不祥事で解体され年金機構になってから少し厳しくなっているような気もします。

年金事務所の調査により、さかのぼって保険料を納付する場合、納付義務者は会社のため、会社が会社負担分と社員負担分の合計を納める必要があり、社員負担分は別に社員からを徴収することになりますが、社員が退職してしまった場合などは、社員徴収分を徴収することが現実的にできなくなる場合もあるので、社員との対応も十分な注意が必要です。

実際に2年間さかのぼって徴収すると社員負担分だけで給与総額の3ヵ月分以上にもなり、一括で社員から徴収するのは難しい場合が多いものです。

社会保険に加入する必要があるのに加入していない社員がいた場合、調査官によってさかのぼって加入する期間が違う場合があるので、会社の経営実態や今後改善する姿勢を十分に伝えて、さかのぼる期間は出来るだけ短い期間で済ませてもらうようにするのが良いと思います。

公共職業安定所の調査

公共職業安定所の調査は雇用保険に関する調査を行うもので、
・社員が適正に雇用保険に加入しているかどうか
・高齢者や障害者の雇用は守られているか

などの調査が行われています。

このうち、「社員が適正に雇用保険に加入しているかどうか」についての調査は、事前に公共職業安定所への呼び出しの通知があり、賃金台帳・タイムカードまたは出勤簿・労働者名簿・雇用契約書・就業規則・所得税徴収高計算書(源泉徴収税の領収書)などの準備が必要となります。これら、準備しなければならない書類は公共職業安定所からの通知に記載されています。

「高齢者や障害者の雇用は守られているか」の調査は、大阪では事前に会社に電話で訪問の日時の設定の連絡などがあり、調査員の人が会社に訪問して制度の内容を説明し高齢者や障害者の雇用を依頼するというもので、調査より制度の内容説明に重点を置いての訪問で、他の調査とは少し内容が異なります。

公共職業安定所の調査は労働基準監督署や年金事務所の調査に比べ会社に対する影響は大きいものとはならない場合が多いものですが、パート社員の雇用保険の加入要件
・31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること
・1週間の所定労働時間が20時間以上であること
には注意をしておく必要があります。

会計検査院の調査

会計検査院とは国・都道府県・市町村や特殊法人の会計を検査し適正に会計処理が行われるように監督する機関で、労働基準監督署や年金事務所・公共職業安定所が適正に会計処理を行っているかの調査も行っています。

会計検査院の調査は役所に対する調査なので、調査に当る頻度は少ないのですが、調査に当ると労働基準監督署や年金事務所などの調査とは比較にならないほど厳しい調査になる場合が多いので、会社で労働保険・社会保険の不適切な取り扱いを行っている場合には、それなりの覚悟を持って調査に臨まなければなりません。

なぜ、会見検査院の調査が厳しいのかというと、会計検査院は労働基準監督署や年金事務所・公共職業安定所が適正に会計処理を行っているかの調査を行なっている機関です。

年金事務所の調査であれば、事前にその年金事務所の管轄内にある会社に、日時を指定し、賃金台帳・タイムカードまたは出勤簿・労働者名簿・雇用契約書・就業規則・社会保険関係各届出書の控え・所得税徴収高計算書(源泉徴収税の領収書)などの書類を持参して年金事務所に来るよう呼び出しの通知を行います。そして、
・会社に社会保険に未加入の従業員がいないか
・資格取得日は適正か
・標準報酬は適正か

を年金事務所の職員と会社の担当者に確認していくのですが、年金事務所の調査は社会保険労務士が行くと問題ない場合は20分程度で調査は終了するのですが、会計検査院の場合2時間程度は調査を受けるようになります。

そして、不適切な処理を見つけた場合、年金事務所が適正に会計処理を行っているかの調査のため法律に則り適切に処理を行うよう年金事務所に指導を行います。

年金事務所の通常の調査では、「社会保険料を2年間さかのぼって支払しなさい」という調査官は少ないのですが、会計検査院の調査は年金事務所に適正に会計処理を行なわせるためのもですから、このような温情というものはなく、法律に規定されているように2年間さかのぼって徴収されるようになってしまいます。

年金事務所の調査にも記載していますが、さかのぼって保険料を納付する場合、納付義務者は会社のため、会社が会社負担分と社員負担分の合計を納める必要があり、社員負担分は別に社員からを徴収することになりますが、社員が退職してしまった場合などは、社員徴収分を徴収することが現実的にできなくなる場合もあるので、社員との対応も十分な注意が必要となります。

是正報告書の対応

労働基準監督署の調査を受け法律違反が発覚したときは、監督官から是正勧告書が渡されます。(一部は記名押印した後に監督官に渡します。)

この是正勧告書には法条項・違反事項・是正期日が記載され、たとえば三六協定書を提出していないのに残業をさせていた場合には、次のような内容の是正勧告書が交付されます。

法条項等 違反事項 是正期日
労基法第32条
適法な時間外に関する協定なしに、労働者に1日8時間、1週40時間を超えて時間外労働をさせていること

法条項等の欄は労働基準法の第何条に違反しているかの記載で、是正期日はいつまでに是正しなさいということです。

そして、是正勧告書に記載された事項を是正した後に
「平成○○年○月○日別紙三六協定書を締結し、平成○○年○月○日○○労働基準監督署に提出しました。」
などと記載した是正報告書を労働基準監督署に提出します。(是正報告書の用紙は監督官から渡されることが多いと思いますが、指定の用紙というものはないので渡された是正報告書が使いにくい場合は会社で用紙を作っても問題はありません。)

労働基準監督署の是正勧告は、行政処分ではなく行政指導のため法的な強制力はありませんが、法律違反をしている以上、是正を行わなくてはなりません。

労働基準監督署の労働基準監督官は司法警察官の職務を行うので、是正勧告を無視し是正しない場合や、あまりにも悪質だと判断された場合は、送検や逮捕されることもありますので適正に対応をしなければなりません。

是正報告書を作成するときには次のようなことに注意が必要です。

・是正した内容を簡潔・具体的に記載し、いつ是正したのか分かるように是正した日付を記載する。

・労働条件通知書の未作成や三六協定書の未作成・未提出などのような場合は、労働条件条件通知書の場合は今後どのような様式で労働条件通知書を作成するのか添付し、三六協定書の場合は労働基準監督署に提出し受理印が押された三六協定書の写しを添付します。

・是正期日は即時・今後・1ヶ月後など、内容により異なりますが、期日までに是正することができず是正報告書を提出できない場合は監督官に理由を説明し期限の延長をしてもらいます。

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