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労災保険の基礎知識(回答)

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労災保険(労働者災害補償保険法)とは、労働者が業務上の理由または通勤によって負傷したり、病気に見舞われたり、障害が残ったり、不幸にも死亡された場合などに、治療に必要な療養の給付・生活保障としての休業補償・障害が残った場合の障害補償・遺族に対する遺族補償年金など、被災労働者やその遺族を保護するために必要な保険給付を行なうことを主な目的とした制度で、被災労働者の社会復帰の促進、遺族に対する援護、労災病院・休養施設の設置、学費等費用の援護などの労働福祉事業も行なっている制度です。

労災保険は労働基準法基づく事業主の補償義務を肩代わりする制度のため、会社が労働者を1人でも雇用した時点で成立している制度です。

そのため、会社が労災保険の加入手続きをしていない、保険料を納付していないような場合でも、ただ加入手続が遅れている、保険料の納付が遅れているというだけで、労災事故が発生した場合は労災保険の適用があり、被災労働者は労災保険の保険給付を受けることができます。

事業主が労災保険の加入手続を怠っていた期間中に労災事故が発生した場合には、労働者やその遺族には労災保険が給付されますが、事業主からは遡って保険料を徴収するほかに、労災保険から給付を受けた金額の100%又は40%を事業主から徴収することになります。

また、労災保険の保険料は事業主の100%負担のため、被災労働者から保険料を徴収することはありません。事業主からの徴収などの詳細は>> 労災保険料と費用徴収制度へ

なお、健康保険は労働者の業務以外の原因による疾病・負傷・死亡などについて保険給付を行うものであり、業務上のケガなどを健康保険で治療することはできませんので、注意してください。(詐欺になる場合があります。)

労働者を1人でも使用する事業は、暫定任意適用事業を除き個人事業や法人を問わず、すべて強制的に労災保険の適用事業とされます。ただし、国の直営事業、非現業の中央・地方の官公署は、国家公務員災害補償法や地方公務員災害補償法などの適用を受けるため適用除外とされています。

暫定任意適用事業とは、労災保険に加入するかどうかは事業主の意思やその事業に使用されている労働者の過半数の意思にまかされている事業で、事業主が任意加入の申請をし、その承諾を得てはじめて労災保険が成立します。

暫定任意適用事業とは次の業務が該当します。
・労働者数5人未満の個人経営の農業であって、特定の危険または有害な作業を主として行う
事業以外のもの
・労働者を常時は使用することなく、かつ、年間使用延労働者数が300人未満の個人経営の
林業
・労働者数5人未満の個人経営の畜産、養蚕または水産(総トン数5トン未満の漁船による事業
など)の事業

労災保険は事業開始の日またはその事業が適用事業に該当するに至った日に自動的に成立するので、事業主は労働者を使用した日から10日以内に保険関係成立届を、50日以内に概算保険料申告書を管轄の労働基準監督署に届け出なければなりません。(実務的には、保険関係成立届と概算保険料申告書は同時に提出します。)

また、労災保険は正社員・パート社員・アルバイト・嘱託などの名称に係らず、全ての労働者に適用されるため、正社員のみを加入させるなど、特定の労働者だけを加入させることはできません。

事業主が労災保険の加入手続きを怠っていた期間中に労災事故が発生した場合は、遡って保険料が徴収されるほか、労災保険から給付を受けた金額の100%又は40%が徴収されます。 事業主からの徴収などの詳細は>> 労災保険料と費用徴収制度へ

業務災害とは、業務が原因となった災害(労働者の業務上の負傷・疾病・障害・死亡)ということであり、労災保険で業務災害と認められるためには、業務と傷病などとの間に因果関係があることが必要で、業務を原因とする負傷と業務を原因とする疾病に分けて考えられます。

業務を原因とする負傷の場合

業務を原因とする負傷の場合、業務遂行性(事業主の支配下にあったこと。)を中心に判断され、次のような場合に業務遂行性が認められます。
① 社内で仕事をしている場合(就業時間中・就業の準備作業・後片付け・待機時間など。)
② 社外で仕事をしている場合(出張・外勤・業務による外出中など。)
③ 仕事はしていないが、社内にいる場合(休憩時間中・就業前後の自由時間中など。)

ただし、上記の場合にすべて業務災害が認められるのではなく、次のように業務災害に認められる場合と認められない場合があります。
① 社内で仕事をしている場合
特段の事情が無い限り業務遂行性が認められ、業務災害と認められる
② 社外で仕事をしている場合
会社の指示で仕事をしているので、私的行為(出張中の私的観光など)のような特段の事
情がない限り、業務遂行性が認められ、一般的には業務災害と認められる。
② 仕事はしていないが、社内にいる場合
休憩時間や就業前後は実質的に仕事をしているわけではないので、原則として業務遂行性
は認められず、事業場の施設・設備や管理状況などの原因により災害が発生したときに業
務災害と認められる。

なお、次のような場合には業務災害とは認められません。
・労働者が就業中に私的行為(私用外出など)を行い、それが原因となって被災した場合。
・労働者が故意に災害を発生させた場合。
・私的行為により、第三者から暴行を受けて被災した場合(ケンカによる負傷など)。
・天災地変(地震・津波・台風など)によって被災した場合。

ただし、業務内容などにより、天災地変を被りやすい事情があるときは、業務災害と認めら
れる場合があります。

業務を原因とする疾病(病気)の場合

疾病については、業務起因性(業務と傷病などの間に一定の因果関係があること。)を中心に判断され、一般的に①労働の場に有害因子が存在していること、②健康障害を起こすほどの有害因子にばく露したこと、③発症の経過および病態の3要件が満たされる場合には原則として業務上災害が認められます。

① 労働の場に有害因子が存在していること
この場合の有害因子は、業務に内在する有害な物理的因子、化学物質、身体に過度の負担
のかかる作業態様、病原体等の諸因子を指します。

② 健康障害を起こすほどの有害因子にばく露したこと
健康障害は、有害因子へのばく露によって起こりますが、当該健康障害を起こすのに足り
るばく露があったかどうかで判断します。

③ 発症の経過および病態
業務上の疾病は、有害因子へのばく露後開始後に発症したものでなければなりません。しかし、業務上疾病の中には、有害因子へのばく露後、短期間で発症するものもあれば、相当長期間の潜伏期間を経て発症するものもあり、発症の時期は、ばく露した有害因子の性質、ばく露条件などによって異なります。したがって、発症の時期は、有害因子の物質、ばく露条件などからみて医学的に妥当であることが必要です。

通勤災害とは、通勤に起因して被った災害(労働者の業務上の負傷・疾病・障害・死亡)ということで、通勤災害は労災保険で補償されます。労災保険で「通勤」とは次のように定義されています

通勤とは、労働者が就業に関し、住居と就業の場所との間を合理的な経路および方法により往復することをいい、業務の性質を有するものを除く。労働者がこの往復の経路を逸脱し、またはこの往復を中断した場合においては、当該逸脱または中断の間およびその後の経路は通勤としない。ただし、当該逸脱または中断が日常生活上必要な行為であって、労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行なうための最小限度のものである場合は、当該逸脱または中断の間を除き、通勤となる。

つまり、上記の定義を満たす通勤に起因して被った災害が通勤災害ということになるの少し詳しく上記の通勤の中身を説明します。

労働者
「労働者」とは正社員だけでなく、パート・嘱託社員・アルバイトなどすべての労働者が含まれます。

就業に関し
「就業に関し」とは、業務に就くための通勤、業務を終えたことによる通勤のことであり、休日出勤などの場合は、休日に出勤した証明が必要となります。
遅刻や早出など、通常の出勤時刻と時間的にある程度の前後があっても就業との関連性は認められますが、業務終了後に社内の娯楽室などでマージャンなどをしていたように、業務と帰宅との直接的な関連性を失わせるような場合は、業務を終えたことによる通勤とは認められません。

住居
「住居」とは、就業の拠点として日常生活の用に供している住居をいい、就業の必要性から家族の住居とは別に社宅やアパートを借りているような場合は、そこが住居となります。
また、通常は家族のいる所から出勤するが、長時間の残業の場合に社宅やアパートに泊り、そこから通勤するような場合には、家族の住居と社宅・アパートの双方が住居と認められ、交通ストライキや台風などにより一時的に宿泊する施設も住居と認められます。
ただし、友人宅に遊びに行き翌朝に友人宅から出勤する場合などの友人宅は住居とは認められません。

就業の場所
「就業の場所」とは、業務を開始し、終了する場所(一般的には勤務先の会社など)をいいますが、本来の業務を行なう場所のほか、取引先の会社で商談後に直帰する場合の取引先の会社なども就業の場所と認められます。
また、外勤業務の労働者で、担当する区域内にある数か所の用務先を受け持って自宅と用務先の間を往復している場合には、自宅を出てから最初の用務先が業務開始の場所、最後の用務先が業務終了の場所と認められます。

合理的な経路および方法
「合理的な経路および方法」とは、住居と就業の場所との間を往復する場合に、一般に労働者が用いるものと認められる経路および方法などをいいます。
経路については、通勤のために通常利用する経路のほか、マイカーやタクシーを利用する場合に通常利用することが考えられる経路が複数ある場合などは、いずれも合理的な経路となります。また、当日の交通事情などにより迂回して通勤する場合の経路なども合理的な経路となります。しかし、合理的な理由もなく、著しい遠回りとなる経路をとる場合などは、合理的な経路とはなりません。
合理的な方法については、鉄道、バスなどの公共交通機関を利用する場合、自動車・自転車などを使用する場合、徒歩の場合など、通常の交通方法で通勤している場合は合理的な方法と認められます。ただし、無免許運転・泥酔者の運転などは合理的な方法とは認められません。

業務の性質を有するものを除
「業務の性質を有するものを除く」とは、業務の性質を有するものは通勤災害ではなく業務災害になるということです。
具体的には、会社が提供しているバスなどで通勤している場合に被災した場合や休日なのに緊急の災害などで呼び出され会社に行く途中で被災した場合などが該当します。

逸脱 ・中断
「逸脱」とは、通勤の途中で通勤や就業に関係ない理由で合理的な経路からはずれることで、「中断」とは、合理的な経路上で通勤と関係ない行為をすることです。
具体的には通勤の途中でパチンコや映画を見る場合などが該当し、逸脱・中断後の通勤は、原則として労災保険上の通勤とは認められません。

日常生活上必要な行為であって、労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行なうための最小限度のもの
逸脱・中断後の通勤は、原則として労災保険上の通勤とは認められませんが、逸脱・中断が日常生活上必要な行為であって次の厚生労働省で定めるものでやむを得ない事由により最小限の範囲で行なうものである場合は、逸脱・中断を終えて、合理的な経路および方法に戻った後は通勤と認められます。ただし、逸脱・中断の間に生じた災害は通勤災害とは認められません。

① 日用品の購入その他これに準ずる行為
(通勤の途中で公衆便所を使用する場合やティッシュペーパーなどを購入する場合など)

② 職業訓練、学校教育法第1条に規定する学校において行われる教育その他これらに準ずる教育訓練であって職業能力の開発向上に資するものを受ける行為

③ 選挙権の行使その他これに準ずる行為

④ 病院または診療所において診察または治療を受けること、その他これに準ずる行為

第三者行為災害とは、業務災害や通勤災害の原因である事故が第三者(被災労働者および被災労働者の事業主以外の者)の不法行為によって生じたものをいいます。具体的には、外勤業務の労働者が取引先に打合せに行くために道路を歩いていたときに、建築現場で落下してきた鉄骨に当たったりして負傷を負った場合や出勤途中の労働者が自動車にはねられた場合などがあります。

この場合、被災労働者は労災保険の保険給付請求ができるとともに、第三者に対する損害賠償請求をすることができます。このような場合に、労災保険では労災保険の給付と損害賠償との間に支給調整を定めており、政府は被災労働者やその遺族に保険給付を支給したときは、その価格の限度で被災労働者やその遺族が第三者や自賠責保険に対して有する損害賠償請求権を労災保険の給付の価額の限度で取得するものとし、被災労働者やその遺族が保険給付を受ける前に第三者や自賠責保険から損害賠償を受けたときは、その受領額を保険給付額から差し引いて支給することになっています。この場合の前者を求償といい、後者を控除といいます。

これは、労災給付も損害賠償も被災労働者の損害のてん補を目的とするものであり、同一の事故によって、労災保険と第三者の両者から重複しててん補を受けることになると、1つの事故を原因とする損害を2重に補償することになり、実際の損害額よりも多くの補償を受けることになり、不合理が生じてしまうことを防ぐための措置です。

なお、第三者行為災害であっても、同じ事業主に使用されている同僚同士の間での災害などの場合には求償はしないことになっています。

また、被災労働者と第三者との間に示談が行なわれた場合は、その示談が真正に成立し、内容が被災労働者の第三者に対する損害賠償の全部のてん補を目的としている場合は、労災保険の保険給付は行われません。

※ 特別支給金は、保険給付に該当しないため、支給調整の対象にならず、全額が支給されます。

現場労災とは広義の意味では、製造業の工場における労災事故などのことも含みますが、一般的には建設業の工事現場などにおける労災事故のことをいいます。

なぜ、建設業の工事現場などにおける労災を現場労災といい、通常の労災と区別しているかというと、建設業の工事現場などは現場ごとに工期が決められている(事業の期間が予定されている)のに対し、普通の会社では事業の期間は予定されていません(普通の会社は将来にわたって、継続して成長発展することを目的としてます)。このように、事業の期間が予定されている事業を有期事業といい、有期事業以外の事業を継続事業といいます。労災保険の成立手続、保険料の納付の手続などが有期事業と継続事業では異なっているため、一般的に建設業の工事現場などで発生した事故を現場労災といいます。

また、建設現場では、下請け・孫請けなどの複数の会社が請負関係に立ち、現場での作業を行なっていますが、現場での指揮命令系は元請により行なわれ、また、保険料の徴収なども下請け・孫請けなど個別に行なうと手続も複雑になるため、労災保険の成立や保険料の納付義務などの責任を元請に負わせています。

現場労災で考えなければいけないことに、俗に言う「労災かくし」の問題があります。労災かくしとは「故意に労働者死傷病報告を提出しないこと」または「虚偽の内容を記載した労働者死傷病報告を所轄労働基準監督署長に提出すること」をいい、建設業で最も多く労災かくしが発覚しています。

建設業で労災かくしが多い理由としては無災害記録の更新、元請事業者からの指示・圧力、外国人労働者の発覚、元請への配慮などがありますが、どのような理由があるにしろ、労災かくしは犯罪であり、刑事罰、労災メリット還付金の返還、全工期無災害記録の取消・返還などの問題が生じます。

現場労災が生じた場合には、労災保険法の適正な適用と元請・下請けなどの微妙な関係を上手に処理することが必要となります。

不幸にも業務災害が発生し、労働者が被災したときは、被災労働者やその遺族を保護するために
① 被災労働者の負傷または疾病に対して支給される>> 療養補償給付>> 休業補償給付>> 傷
病補償年金

② 業務上の傷病が治癒したときに一定の障害が残った場合に支給される>> 障害補償給付
③ 傷害補償年金または傷病補償年金の受給権者で常時または随時介護を受けている被災労働
者に支給される>> 介護補償給付
④ 被災労働者が死亡した場合に支給される>> 遺族補償給付>> 遺族補償一時金>> 遺族補償
年金前払一時金
>> 葬祭料
が保険給付として支給されます。

通勤災害も業務災害と同様に保険給付が支給されますが、通勤災害は事業主の災害補償責任ではないため、補償という言葉は用いられず、療養給付、休業給付、傷病年金、障害給付、介護給付、遺族給付、葬祭給付といいます。

また、健康診断などの結果で必要な場合には、>> 二次健康診断等給付が受けられます。

療養補償給付
療養補償給付は、労働者が業務上の負傷又は疾病にかかり療養を必要とする場合に行われ、療養補償給付には、療養の給付と療養の費用の支給があります。療養補償給付は、療養の給付が原則で、労災指定病院以外の病院などで治療を受けた場合で相当な理由がある場合に、その治療に要した費用を療養の費用の支給として支給されます。
療養の給付は、一種の現物給付で、労災病院や労災指定病院(診療所)において直接被災労働者に対して療養そのものを給付するもので、次の範囲のものが支給されます。
① 診察
② 薬剤または治療材料の支給
③ 処置、手術
④ 病院または診療所への収容
⑤ 看護
⑥ 移送

休業補償給付
休業補償給付は、労働者が業務上の負傷または疾病にかかり、その療養のため働くことができず、そのために賃金を受けない場合に、その第4日目から賃金を受けない期間1日につき給付基礎日額(労働基準法第12条に規定する平均賃金)の60%相当額の休業補償給付、および20%相当額の休業特別支給金が支給されます。
賃金を受けない初日から3日目までを待期期間といい、この間は事業主が休業補償(平均賃金の60%以上)を被災労働者に支給することになります。なお、通勤災害の場合は、事業主に休業補償の支払い義務は生じません。

傷病補償年金
療養補償給付を受ける被災労働者の傷病が、療養の開始後1年6ヶ月を経過しても治らず、その傷病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当する場合に、その障害等級に応じ、傷病補償年金、傷病特別支給金、傷病特別年金が支給されます。

傷病等級傷病補償年金
(年額)
傷病特別支給金
(一時金)
傷病特別年金
(年額)
第1級給付基礎日額の
313日分
114万円算定基礎日額の
313日分
第2級給付基礎日額の
277日分
107万円算定基礎日額の
277日分
第3級給付基礎日額の
245日分
100万円算定基礎日額の
245日分

※傷病特別年金はボーナスなどの特別給与を算定の基礎として支給されます。

傷害補償給付
業務上の負傷または疾病が治癒(症状が固定し、もはや療養の効果を期待できず、療養を必要としなくなった状態)したときに、身体に一定の障害が残った場合には、障害の程度に応じ、障害補償年金(第1級から第7級)または障害補償一時金(第8級から第14級)が支給されます。

障害等級障害補償年金
(年額)
障害特別支給金
(一時金)
障害特別年金
(年額)
第1級給付基礎日額の
313日分
342万円算定基礎日額の
313日分
第2級給付基礎日額の
277日分
320万円算定基礎日額の
277日分
第3級給付基礎日額の
245日分
300万円算定基礎日額の
245日分
第4級給付基礎日額の
213日分
264万円算定基礎日額の
213日分
第5級給付基礎日額の
184日分
225万円算定基礎日額の
184日分
第6級給付基礎日額の
156日分
192万円算定基礎日額の
156日分
第7級給付基礎日額の
131日分
159万円算定基礎日額の
131日分
障害補償一時金障害特別一時金
第8級給付基礎日額の
503日分
 65万円算定基礎日額の
503日分
第9級給付基礎日額の
391日分
 50万円算定基礎日額の
391日分
第10級給付基礎日額の
302日分
 39万円算定基礎日額の
302日分
第11級給付基礎日額の
223日分
 29万円算定基礎日額の
223日分
第12級給付基礎日額の
156日分
 20万円算定基礎日額の
156日分
第13級給付基礎日額の
101日分
 14万円算定基礎日額の
101日分
第14級給付基礎日額の
 56日分
  8万円算定基礎日額の
 56日分

※傷病特別年金はボーナスなどの特別給与を算定の基礎として支給されます。

また、すでに身体障害があった労働者(先天性や後天性、業務上や業務外を問いません。)が新たな業務災害によって、既存の障害と同一の場所に障害が生じ、障害が重くなった場合を加重加算といい、次の額が支給されます。

障害の程度支給される額
すでにあった身体障害と障害が重くなった後の障害がともに傷害補償年金に該当するとき。障害が重くなった後の障害等級に応じる年金額から、すでにあった身体障害の障害等級に応じる年金額を差し引いた金額。
すでにあった身体障害と障害が重くなった後の障害がともに傷害補償一時金に該当するとき。障害が重くなった後の障害等級に応じる一時金の額から、すでにあった身体障害の障害等級に応じる一時金の額を差し引いた金額。
すでにあった身体障害が障害一時金に該当し、重くなった後の障害が障害補償年金に該当するとき。障害が重くなった後の障害等級に応じる年金額から、すでにあった身体障害の障害等級に応じる一時金の額の25分の1を差し引いた金額。

介護補償給付
介護補償給付は傷病補償年金又は障害補償年金を受給し、かつ、現に常時介護を要する被災労働者又は随時介護を要する被災労働者に次の額を上限として支給されます。

障害の程度支給される額
常時介護を必要とする場合介護の費用として支出した額が104,570円を上限として支給されます。ただし、親族などの介護を受けていた方で、介護の費用を支出していない場合または支出した額が56,790円を下回る場合は、一律56,790円、支出した額が56,790円を上回る場合は104,570円を上限として支給されます。
随時介護を必要とする場合介護の費用として支出した額が52,290円を上限として支給されます。ただし、親族などの介護を受けていた方で、介護の費用を支出していない場合又は支出した額が28,400円を下回る場合は、一律28,400円、支出した額が52,290円を上回る場合は52,290円を上限として支給されます。

遺族補償給付
遺族補償年金は労働者の死亡の当時、その収入によって生計を維持していた配偶者(内縁関係含む)・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹(妻以外の者にあっては一定の年齢または障害の状態にある者)が受給資格者とされ、受給資格者のうち最先順位の者に支給されます。

受給権者の順位
1.妻または60歳以上の夫または一定障害の夫(内縁関係含む)
2.18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子または一定障害の子
3.60歳以上の父母または一定障害の父母
4.18歳に達する以後の最初の3月31日までの間にある孫または一定障害の孫
5.60歳以上の祖父母または一定障害の祖父母
6.18歳に達する以後の最初の3月31日までの間にある兄弟姉妹若しくは60歳以上の兄
弟姉妹または一定障害の兄弟姉妹
7.55歳以上60歳未満の夫
8.55歳以上60歳未満の父母
9.55歳以上60歳未満の祖父母
10.55歳以上60歳未満の兄弟姉妹

遺族補償年金は遺族の数などに応じて次の額が支給されます。
なお、受給権者が2人以上あるときは、その額を等分した額がそれぞれの受給権者が受ける額となります。

遺族数遺族補償年金
(年額)
遺族特別支給金
(一時金)
遺族特別年金
(年額)
1人給付基礎日額の
153日分
300万円算定基礎日額の
153日分
2人給付基礎日額の
201日分
算定基礎日額の
201日分
3人給付基礎日額の
223日分
算定基礎日額の
223日分
4人以上給付基礎日額の
245日分
算定基礎日額の
245日分

※その遺族が55歳以上の妻または一定の障害状態にある妻の場合の遺族補償
年金・遺族特別年金は175日分
※遺族特別年金はボーナスなどの特別給与を算定の基礎として支給されます。

なお、遺族補償年金は、原則として毎年2月、4月、6月、8月、10月、12月に支給されますが、申請することにより給付基礎日額の200日分、400日分、600日分、800日分、1,000日分のうちから希望する額が一時金として支給されます。これを遺族補償年金前払一時金といいます。遺族補償年金前払一時金が支給されたときは、各月分の額(年利5分の単利で割り引いた額)の合計額が当該遺族補償年金前払一時金の額に達するまでの間、遺族補償年金の支給が停止されます。

遺族補償一時金
遺族補償一時金は労働者の死亡の当時、遺族補償年金を受ける遺族がいない場合などに、配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹のうち遺族補償給付の受給資格が無い者(被災労働者により生計を維持されていなかった者など)または失権・失格した者に支給されます。この場合も遺族補償年金と同様に最先順位の者に支給されます。

受給権者の順位
1.配偶者(内縁関係含む)
2.労働者の死亡の当時、その収入によって生計を維持していた子・父母・孫・祖父母
3.その他の子・父母・孫・祖父母
4.兄弟姉妹
※2と3については子・父母・孫・祖父母の順

遺族補償一時金は次の額が支給されます。

遺族補償一時金 遺族特別支給金
(一時金)
遺族特別一時金
労働者の死亡の当時、遺族補償年金を受ける遺族がいない場合 給付基礎日額の
1,000日分
300万円
算定基礎日額の
1,000日分
遺族補償年金の受給権者が最後順位者まですべて失権したときに、受給権者であった遺族の全員に支払われた遺族補償年金・遺族補償年金前払い一時金の合計が給付基礎日額の1,000日分に満たない場合 合計額と給付基礎日額の1,000日分との差額
支給無
合計額と算定基礎日額の
1,000日分との差額

※遺族特別年金はボーナスなどの特別給与を算定の基礎として支給されます。

葬祭料
労働者が業務上死亡した場合に、葬祭を行う者に対して315,000円の定額に給付基礎日額の30日分を加えた額または給付基礎日額の60日分の額のいずれか高い方の額が支給されます。

二次健康診断等給付
労働安全衛生法に基づく定期健康診断または雇入れ時健康診断などのうち直近のもの(以下「一次健康診断」と言います)において、
① 血圧検査
② 血中脂質検査
③ 血糖検査
④ 肥満度
の4つの検査すべてに異常の所見が認められ、脳・心臓疾患を発症していないことを要件として1年度に1回、脳血管及び心臓の状態を把握するための二次健康診断を受けることができ、二次健康診断1回につき1回、脳・心臓疾患の発生の予防を図るための特定保健指導を受診することができます。

労災保険料
労災保険の保険料は、毎年4月1日から翌年の3月31日までを保険年度として1年を単位に計算し、年度の当初に概算で労災保険料(概算保険料)を納付し、年度末に確定した労災保険料(確定保険料)を清算するという方法を取っています。
この手続を労働保険料の年度更新といい、毎年6月1日から7月10日までの間に行なわなければなりません。
つまり、ある年の年度更新手続は、その前年度の確定保険料とその年度の概算保険料を納付することになります。保険料の額は、年度ごとに、年度中に使用した全ての労働者に支払った賃金の総額に労災保険料率>> 平成27年度の労災保険料率(厚生労働省のホームページ)を乗じた額で計算します。労働者に支払った賃金とはパート・アルバイトなどの名称にかかわらず全ての労働者に支払った賃金のことです。

費用徴収制度
労災保険は労働者を雇入れた日から10日以内に保険関係成立届を労働基準監督署に提出することにより、加入手続きを行なう必要があります。事業主が加入手続きを怠っていた期間中に労災事故が発生した場合、労働者やその遺族には労災保険が給付されますが、事業主からは遡って保険料を徴収されるほか、給付された労災保険の金額の全部または一部が費用徴収されます。

労災保険の加入手続きについて行政機関から指導などを受けたにもかかわらず、手続きを行わない期間中に業務災害や通勤災害が発生した場合。事業主が「故意」に手続きを行わないものと認定し、当該災害に関して支給された保険給付額の100%を徴収。
労災保険の加入手続きについて行政機関から指導などを受けてはいないものの、労災保険の摘要事業場となったときから1年を経過して、なお手続きを行わない期間中に業務災害や通勤災害が発生した場合。事業主が「重大な過失」により手続きを行わないものと認定し、当該災害に関して支給された保険給付額の40%を徴収。
労災保険料を滞納している期間中に労働災害が生じ、労災保険給付を行った場合。保険給付額の最大40%を徴収。
事業主が故意または重大な過失により生じさせた業務災害について、労災保険給付を行った場合。険給付額の最大30%を徴収。

追徴金・延滞金
成立手続を行うよう指導を受けたにもかかわらず、自主的に成立手続を行わない事業主や労災保険料の調査により申告漏れが判明した場合などは、労災保険料の認定決定が行なわれ、労災保険料の10%が徴収されます。この追徴金は、本来納付するべき労災保険料を不当に納付しなかったことによる懲罰的なものです。
また、労災保険料の督促を受けた場合は、納期限の翌日からその完納の日または財産差押えの日の前日までの日数により年14.6%の割合で計算した延滞金が徴収されます。

労災保険は、労働者の負傷・疾病・障害・死亡などに対して保険給付を行う制度ですが、業務の実態、災害の発生状態などから、本来は労働者でない事業主などのうち、特に労働者に準じて保護することが適当であると認められる一定の人(中小事業主など・1人親方など・海外派遣者・特定作業従事者)に対して特別に任意での加入を認めているのが、特別加入制度です。

加入できるものの範囲

① 中小事業主などの特別加入
次の業種別に定める数以下の労働者を常時使用する事業主・家族従事者・役員などは労災保険に特別加加入することができます。なお、常時労働者を使用していない場合であっても、1年間に100日以上労働者を使用している場合には、常時労働者を使用しているものとして取り扱われ、特別加入をすることができます。

金融業・保険業・不動産業・小売業・サービス業
常時50人以下の労働者を使用する事業主

卸売業
常時100人以下の労働者を使用する事業主

上記以外の事業
常時300人以下の労働者を使用する事業主

② 1人親方などの特別加入
次の事業を行なう、労働者を使用しない事業主・家族従事者は労災保険に特別加入をすることができます。

・自動車を使用して行う旅客または貨物の運送の事業(個人タクシー業者・個人貨物運送業者
など)
・建設の事業(大工・左官・とび・石工など)
・漁船による水産動植物の採捕の事業(漁船に乗り込んでその事業を行うものに限る)
・林業の事業
・医薬品の配置販売の事業
・再生利用の目的となる廃棄物などの収集・運搬・選別・解体などの事業
・船員法第1条に規定する船員が行う事業

③ 海外派遣者(現地採用者は海外派遣者に該当しません。)

・日本国内の事業主(有期事業を除く)から、海外で行われる事業に労働者として派遣される

・日本国内の事業主から、海外にある中小規模の事業に事業主等(労働者ではない立場)とし
て派遣される人
・独立行政法人国際協力機構など開発途上地域に対する技術協力の実施の事業(有期事業を除
く)を行う団体から派遣されて、開発途上地域で行われている事業に従事する人

④ 特定作業従事者

・特定農作業従事者
年間農業生産物総販売額300万円以上または経営耕地面積2ヘクタール以上の規模で土地の耕作若しくは開墾、植物の栽培若しくは採取、または家畜若しくは蚕の飼育の作業を行う自営農業者(労働者以外の家族従事者などを含む。)であって、次の作業に従事する方。
・動力により駆動される機械を使用する作業
・高さが2メートル以上の箇所における作業
・サイロ、むろなどの酸素欠乏危険場所における作業
・農薬の散布の作業
・牛・馬・豚に接触し、または接触するおそれのある作業

・指定農業機械作業従事者
自営農業者(労働者以外の家族従事者などを含む。)であって、次の機械を使用し、土地の耕作または開墾または植物の栽培若しくは採取の作業を行う方。
・動力耕うん機その他の農業用トラクター
・動力溝掘機
・自走式田植機
・自走式スピードスプレーヤーその他の自走式防除用機械
・自走式動力刈取機、コンバインその他の自走式収穫用機械
・トラックその他の自走式運搬用機械
・定置式または携帯式の動力揚水機、動力草刈機等の機械

・国または地方公共団体が実施する訓練従事者
職場適応訓練従事者
求職者を作業環境に適応させるための訓練として行われる作業に従事する方
事業主団体等委託訓練従事者
求職者の就職を容易にするため必要な技能を習得させるための職業訓練であって事業主または事業主の団体に委託されて行われる作業に従事する方

・家内労働者およびその補助者
家内労働者およびその補助者で、次に掲げる特に危険度が高いとされる作業に従事する方。
・プレス機械、型付け機、型打ち機、シャー、旋盤、ボール盤またはフライス盤を使用して
行う金属、合成樹脂、皮、ゴム、布または紙の加工の作業
・削盤若しくはバフ盤を使用して行う研削若しくは研ままたは溶融した鉛を用いて行う金属
の焼入れ若しくは焼きもどしの作業であって、金属製洋食器、刃物、バルブまたはコック
の製造または加工に係るもの
・有機溶剤または有機溶剤含有物(以下「有機溶剤等」といいます。)を用いて行う作業で
あって、化学物質製、皮製若しくは布製の履物、鞄、袋物、服装用ベルト、グラブ若しく
はミットまたは木製若しくは合成樹脂製の漆器の製造または加工に係るもの
・粉じん作業または鉛化合物を含有する釉薬を用いて行う施釉若しくは鉛化合物を含有する
絵具を用いて行う絵付けの作業若しくは当該施釉若しくは絵付けを行った物の焼成の作業
であって陶磁器の製造に係るもの
・動力により駆動される合糸機、撚糸機、または織機を使用して行う作業
・木工機械を使用して行う作業であって、仏壇または木製若しくは竹製の食器の製造または
加工に係るもの

・労働組合などの常勤役員
常時労働者を使用しない労働組合などであって、当該労働組合などの事務所、事業場、集会場または道路、公園その他の公共の用に供する施設において集会の運営、団体交渉その他の当該労働組合などの活動に係る作業に従事する一人専従役員。

・介護作業従事者
介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律第2条第1項に規定する介護関係業務に係る作業であって、入浴、排せつ、食事などの介護その他の日常生活の世話、機能訓練または看護に係る作業を行う方。

一般の労働者と特別加入者の違い

給付基礎日額
一般の労働者の場合、休業補償給付などの保険給付の基となる給付基礎日額は平均賃金などから求められますが、特別加入者は給付基礎日額(3,500円~25,000円)を自分で決めて、それに応じた保険料を支払って特別加入します。
給付基礎日額は特別加入を行う方の所得水準に見合った適正な額を申請していただき、労働局長が承認した額が給付基礎日額となります。

休業保険給付などの支給要件
一般の労働者は、休業補償給付の支給要件に「賃金を受けないこと」がありますが、特別加入者の場合、所得喪失の有無にかかわらず、療養のため補償の対象とされている範囲(業務遂行性が認められる範囲)の業務または作業について全部労働不能であることが必要となっています。

通勤災害について
個人タクシー、個人貨物運送事業者、個人水産業者、特定農作業従事者・指定農業機械作業従事者・家内労働者などは、業務と通勤の判断が明確にできないため、通勤災害に関する保険給付が行われません。

業務提供地域
充実したサービス、迅速なサービスのため、概ね1時間以内で訪問できる下記地域を業務地域としています。
大阪市、高槻市、茨木市、摂津市、枚方市、寝屋川市、交野市、守口市、門真市、四條畷市、大東市、東大阪市。(労務監査・セミナー・労使間トラブルの対応などは上記地域外でも出張対応を行っています。)

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