労働保険や社会保険の手続・給与計算・就業規則作成・労使間トラブルの解決などは阿部社会保険労務士事務所にお任せください。

都市の写真

面接・入退社時のQ&A(回答)

ここでは、さまざまな労務管理上の具体的な事例を分かりやすく説明しています。実際の実務に役立つよう説明をしていますので、参考にしていただけたらと思います。

社員を採用するため、いろいろなことを求職者に聞きたいことはよく分かりますが、やはり聞いてはいけないルールというものがあります。

面接の目的というのは、本人の適性と能力を見極め、会社に適した人材を採用することです。そのため、本人の適性や能力を見極めるのに必要なこと以外のことを質問したり、書類を提出させると、基本的人権の侵害、就職差別につながることにもなり、控えなければなりません。例えば次のようなことが該当します。

① 本籍などに関すること
本籍(出身地)はどこですか。

② 家族状況に関すること
両親はどのような仕事をしていますか。
両親の学歴を教えてください。
親戚の病歴を教えてください。

③ 家族環境に関すること
家は持家ですか。
将来も両親と同居されますか。

④ 思想信条に関すること
信仰はお持ちですか。
労働組合の活動をどう思いますか。
指示する政党はありますか。

⑤ 男女雇用機会均等法に違反すること
結婚後も働きますか。
いくつぐらいで、結婚したいですか。
お茶くみをどう思いますか。

面接時の交通費、日当などについては、支給するかしないかは会社の自由な判断で結構です。そのため、全額支給しても、一部支給でも、一律○○円の支給でもかまいません。
(まだ、会社の従業員ではないので、原則として、労働基準法の適用がないため。)

一般的には、中途採用の場合には支給しない企業がほとんどのようですが、新卒者の場合には交通費を支給する企業もあるようです。

個人的には、新卒者に対しては、交通費の支給、昼食代の支給を行い。中途採用の場合には何も支給しなくてもよいと思います。

また、面接時や面接における移動時などには労災の適用はありません。

労働基準法に記載されているわけではありませんが、行政通達により、「戸籍謄本については入社前に提出を求めることはできませんが、入社後であれば、もし本当にその情報の必要性があればそのときに限って提出を求めることがでる。」とされ、入社前に提出を求めることはできません。

入社後についても、就業規則などの規程に家族手当・慶弔見舞金などの規定があり、従業員からその申請の申し出があった場合などに、従業員の権利確認のために内容や目的を説明し、確認後速やかに返却するよな場合は提出させることもできますが、戸籍謄本の提出が必要なときに限られ、どんな時でも提出を求めることができるものではありません。

住民票についても、行政通達により「可能な限り住民票記載事項証明で処理すること。」とされています。

これらの通達は、戸籍謄本や住民票には本籍の記載などがあり、同和問題の配慮や基本的人権の侵害になるおそれがあるために取られた措置です。(履歴書も、古い履歴書では本籍欄がありましたが、今の履歴書にはありません。)

また、個人情報の観点からも、従業員以外の家族の記載があるものは取り扱いに十分な配慮を行う必要があります。

入社時に提出してもらう書類は、従業員本人の記載しかなく、本籍地の記載がない「住民票記載事項証明」にするのがよいと思います。また、住民票記載事項証明の住所と実際の住所が違う場合は、本人に理由を記入してもらい、合理的な理由があれば、承認する方法が良いと思いいます。

身元保証書は、従業員が会社の就業規則を守り忠実に勤務すること。そして、従業員が会社に損害をかけた場合に連帯してその賠償責任を負うことを身元保証人が会社に対して約束するものです。

会社にとっても重要な提出書類の一部になっているときは、身元保証書の提出を義務付けても問題はありません。また、就業規則に身元保証書の提出義務を定めておけば、最悪の場合は未提出の従業員の解雇も可能です。

ただし、身元保証人は、授業員の連帯保証人とは異なり、「身元保証ニ関スル法律」により保護されていて、下記事項が生じたときは会社は連帯保証人に対し通知を行う必要があります。(この通知をしていないと、身元保証人に対して損害賠償請求することが出来ません。)
① 従業員の業務上の行為により、身元保証人に責任が生じる恐れがあることを知ったとき。
② 従業員の任務、任地が変更になったり、身元保証人の責任が従前より加重される場合。ま
たは身元保証人の従業員に対する監督が困難になる場合。

また、「身元保証ニ関スル法律」に規定されている次のことに注意をしておかなければなりません。
① 身元保証期間は、当事者間で定めない場合は3年間となり、定める場合も5年間が上限。
(契約更新を行うことはできます。)
② 身元保証人の保証範囲は、従業員の労務提供債務の不履行または不完全履行、従業員の故
意または過失によって生じた損害に限られます。

実際に従業員が会社に損害をかけ、会社が身元保証人に損害賠償請求をしても、裁判になったときなどは従業員の監督を会社が十分にしていたかなどが問題となり、相当額が減額されて認められるというケースが多いようです。

雇用契約書は、会社と従業員の間で労働条件を明確にするために交わす契約書のことで、労働条件通知書は労働基準法第15条で「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と定められています。その明示を行うための書類が労働条件通知書です。
(労働条件通知書の詳細や記載内容については>> 「労務管理の基礎知識のページ」へ。

労働条件通知書は、会社から一方的に「労働条件通知書」として本人にこれを渡せば十分ですが、雇用契約書は、会社と本人とが内容を承諾した旨の押印を行い、2部作成し、互いに1部ずつ保管しておくものです。

法律的には、「雇用契約書」を作成することまでは求めていませんが、「労働条件通知書」を作成し本人に交付をする義務はあるということです。雇用契約書も労働条件通知書も記載内容は同じですので、後々トラブルを生じさせないように「雇用契約書」を作成するのが望ましいと思います。

雇用契約書や労働条件通知書で気を付けなければならないのが、有期雇用契約(1年ごとに契約更新を行うような「契約の期間」が定められている契約。)を行う場合です。

このような有期雇用契約を結んで契約更新を行うときに口頭だけで済ませ、雇用契約書や労働条件通知書の作成を行っていない会社もあるようですが、雇用契約書や労働条件通知書の作成を行なう必要があります。雇用契約書や労働条件通知書の交付がないと「期間の定めない契約」と判断される場合があります。

また、最後の契約の時には「契約更新は行わない」などの文章を入れておくことが、退職時のトラブルの予防に役立ちます。

試用期間は法律で特に期間の上限や下限が定められているものではありませんが、判例で1年を超えるような不当に長い試用期間は無効としたものがあります。

試用期間は、会社が従業員としての適正を見極める期間であり、通常は1ヶ月から6ヶ月にしているところが多いようです。会社として従業員としての適正を見極めるために必要な期間であれば1ヶ月でも6ヶ月でも良いと思います。

試用期間中は、解雇事由の認定が緩やかであったり、賃金の設定を低く抑えたりできるとの目的で導入している会社もありますが、従業員のモラル向上のためにも長い試用期間は避ける方がよく、個人的には長くても6ヶ月が限度だと考えています。

また、試用期間中は簡単に解雇できると考えている会社もあるようですが、これは労働基準法上の「試みの使用期間」と会社規定の「試用期間」を混同しているためで、この違いは正確に理解する必要があります。

労働基準法第21条で「試みの使用期間」は解雇予告手当を支払わなくていよいと定められているため試用期間中は簡単に解雇できると考えているようですが、労働基準法第21条での「試みの使用期間」には条件があり、「14日を超えて引き続き使用されるに至った場合においては、この限りでない。」と定められています。

つまり、労働基準法上の「試みの使用期間」として解雇予告手当てを支給しなくてもよい期間は採用の日から14日までであり、14日を超えた場合には会社で定めた試用期間であっても解雇予告手当を支給する必要があります。たとえ、会社で3ヶ月の試用期間を定めていたとしても、採用の日から14日を超えた場合には、解雇予告を行い、解雇予告手当を支給しなければなりません。

退職証明書とは労働基準法第22条に定められている「退職時の証明」のことだと思います。

この証明は、従業員の再就職の便宜を図るために労働基準法で定められているもので、退職者から請求があった場合には遅滞なく交付しなければなりません。(請求がなければ交付する必要はありません。)

記載事項としては、①使用期間 ②業務の種類 ③地位 ④賃金 ⑤退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む)が規定されています。

なお、実際に作成するときは上記記載事項のうち従業員が請求した事項しか記載してはいけません。たとえば、使用期間だけを請求された場合には、使用期間だけを証明した証明書を交付する必要があります。

また、あらかじめ第三者と謀り、就業を妨げることを目的として、
① 労働者の国籍、信条、社会的身分、労働組合運動に関する事項
② 秘密の記号を記入することは禁止されています。

実際には「退職時の証明」を請求されるケースは少なく、「資格喪失証明書」が必要なのに退職者が勘違いして「退職証明書」をくださいと言ってくる場合が多いので、会社は退職者がどちらの証明書がほしがっているのかを確認する必要があります。

なお、「資格喪失証明書」とは、従業員が退職後に国民健康保険や国民年金に加入するために市役所などで手続きを行うときに市役所などから提出を求めらる書類で、会社が従業員の退職した日などを記載し退職者に交付する書類です。

「資格喪失証明書」がないと国民健康保険などの加入に支障が生じることがあるので、「資格喪失証明書」は従業員の退職後速やかに本人に交付する必要があります。(国民健康保険の加入手続きは退職した日から14日以内とされているため、退職者から急いでくださいと言われることがあります。)

原則として、賃金支払日に支給すればよいです。ただし、労基法第23条により、退職者の請求があれば、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金などの退職者の権利に属する金品を返還しなければなりません。

いずれにしても、退職日に給与を支払う義務はありません。(ただし、日給者などで、今まで慣行として退職日に給与を支払っていた場合については、退職日に支払う方がよいと思います。)

また、退職者から請求があった賃金または金品について争いがある場合においては、異議のない部分についてのみ7日以内に支払、または返還すればよいとされています。

退職金についても、就業規則(退職金規程)などで支給規定が明確に定められていれば、労働基準法上の賃金として取り扱われます。

しかし、退職金は通常の賃金の場合と異なり、あらかじめ就業規則(退職金規程)などで定められた支払時期に支払えば足りるとされており、退職者の請求があったとしても、決められた時期に支払えばよいことになります。(支払時期が明確でない場合は、退職金の請求を受けたときに期限が到来し、労働基準法第23条により、この日から7日以内に支払わなければなりません。)

退職者から会社に退職事由を解雇にして処理してくださいと言ってくることはよくあるようですが、自己都合退職を解雇として処理をしてはいけません。

なぜ解雇として処理してほしいのかというと、雇用保険(昔の失業保険)を受給するときに解雇であれば、
① 雇用保険の受給まで自己都合退職であれば3か月以上かかるが、解雇の場合はすぐにもら
える。
② 雇用保険を受給できる期間が自己都合よりも長い。(受給できる総額が多くなる。)

などの有利な点があるからです。

しかし、本来は自己都合退職であるのに解雇で処理するということは、会社は「離職票の虚偽記載」を行なうということになります。

雇用保険の不正受給については受け取った額を返還し、さらに不正受給額の2倍の額を支払う必要があるので、受給額の3倍を返却しなければなりません。これは退職した従業員の問題だけではなく、会社の責任にも関係します。

また、雇用に関する助成金をもらっている会社であれば、「解雇者」を出した場合、助成金がストップしたり、助成金の申請を行うことができなくなることもあります。

もし、自己都合退職を解雇で処理した場合、次に退職する従業員からも「前回辞めた人を解雇で処理したんだから、私も解雇で処理してください」といわれることも考えておかなければなりません。

退職者のために解雇として処理しているような会社の話しを聞くこともありますが、法令を適正に運用するため、また、会社がリスクを負担しないためにも絶対にこのようなことを行ってはいけません。

原則として、退職願が提出され、会社が退職を承認した後であれば撤回を認める必要はありません。

退職願は、会社に対する労働契約の解約に関する申込みの意思表示であると考えられ、会社が承認するまでは撤回でき、会社の承認があった後は会社の同意がないと撤回することはできないと考えられています。

たとえば、退職願を会社に提出し、退職を承認する権限のある社長・人事部長などが退職願を受理し承認した場合は退職願の撤回を認める必要はありません。ただし、退職願が退職を承認する権限がない係長や課長などの手許にある場合は、まだ退職願が承認されたとはいえないので、退職願の撤回を申し出ることも可能です。

しかし、退職を承認する権限のある社長・人事部長などが退職願を受理し承認した場合であっても、次のような場合は「退職願」そのものが無効と判断されるときがあります。

① 強迫により退職願を提出した場合
退職する事を会社に強要され退職願を提出したり、退職を促すような言動を繰り返されたりした結果として退職願を提出したような場合。

② だまされたり、勘違いにより退職願を提出した場合
会社が業績不振なので、人員整理のために退職して欲しいといわれ退職願を提出したが、実際は業績不振などではなく、退職後にすぐ別な従業員を採用したような場合。

③ 一時的な感情や心神耗弱状態下で退職願を提出した場合
「お前のようなヤツは今すぐクビだ!」、「わかりましたよ!いつでも辞めてやりますよ!」というような口論の中で本当は退職の意志はないのに、その場で退職願を書かされ提出した場合や、精神疾患で正常な判断能力を失っているときに使用者の勧めに応じて退職願を提出した場合

業務提供地域
充実したサービス、迅速なサービスのため、概ね1時間以内で訪問できる下記地域を業務地域としています。
大阪市、高槻市、茨木市、摂津市、枚方市、寝屋川市、交野市、守口市、門真市、四條畷市、大東市、東大阪市。(労務監査・セミナー・労使間トラブルの対応などは上記地域外でも出張対応を行っています。)

ホームページ利用について
当事務所は、サイト上のコンテンツの内容については細心の注意を払っておりますが、その内容の保証をするものではありません。そのため、当サイトの利用により生じたいかなるトラブル及び損害に対しても、当事務所は一切責任を負いません。

リンクについて
当サイトへのリンクは、原則として自由です。ただし、公序良俗に反するサイト、法律・法令などに違反するサイト、単に誹謗中傷を目的とするサイトには、リンクはお断り致します。