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試用期間・パート社員・派遣社員のQ&A(回答)

ここでは、さまざまな労務管理上の具体的な事例を分かりやすく説明しています。実際の実務に役立つよう説明をしていますので、参考にしていただけたらと思います。

入社から14日以上経過している場合は、解雇予告手当の支払いが必要となります。

労働基準法第20条により、使用者は、労働者を解雇する場合には少なくとも30日前に予告をおこなうか、解雇予告手当を支払わなければなりません。ただし、労働基準法第21条で、「試の使用期間中」の者は例外として、解雇予告の制度は適用されないとされています。そのため、試用期間満了時に正社員とせず解雇する場合に解雇予告手当は必要ないと勘違いしている会社もあるようですが、労働基準法第21条でいう試用期間とは、採用から日から14日までのことで、14日を超えて引き続き使用された場合には、解雇予告の制度が適用されるとしています。

一般的に会社で考えている試用期間とは、会社に適しているかを見極める期間としての意味で使い、通常3ヶ月程度の期間を設定している会社が多く、労働基準法第21条の「試の使用期間」とは少し内容が違います。

そのため、会社の試用期間が14日以下であれば試用期間満了時に解雇しても解雇予告手当を支払う義務は生じませんが、試用期間が14日を超えている場合で試用期間満了時に解雇する場合は解雇予告手当の支払いが必要となります。(試用期間の途中であっても、採用から日から14日を超えて引き続き使用した場合は、解雇予告手当の支払いが必要となります。)

ただし、解雇の理由が労働者の責めに帰すべき事由であり、所轄労働基準監督署長の認定を受けた場合には、解雇予告手当を支払う必要はありません。

会社に使用されるようになった日から5日以内に資格取得届の届け出を行う必要があります。

社会保険(健康保険・厚生年金保険)の資格取得日は会社に使用されるようになった日です。「会社に使用されるようになった日」とは事実上の雇用関係に入った日のことで、賃金が発生する日になります。

新入社員を採用し、社員への辞令では4月1日付で採用となっていてるが実際に仕事を始めるのが4月5日の場合、
① 4月1日からの賃金が支払われる場合の資格取得日は、4月1日。
② 賃金が日割り計算で4月5日から支払われる場合の資格取得日は、4月5日。
となります。

そして、社会保険は臨時に使用されるような場合を除き、被保険者となる社員を採用した場合には、5日以内に資格取得届の届け出を行う必要があり、試用期間は臨時に使用される場合には該当しないので、採用の日から5日以内に資格取得届の届け出を行う必要があります。

本採用になった日を資格取得日にして資格取得の手続きを行っている会社もあるようですが、会社に使用されるようになった日を資格取得日にする必要があります。

試用期間といえども、労働契約を結んでいる以上は会社が一方的に試用期間の延長を行うことはできません。試用期間の延長を行うためには、次の2点を満たしている必要があります。
① 就業規則や労働契約書に試用期間を延長する場合があることを記載していること。
② 試用期間延長に合理的な理由があること。

試用期間の規定があっても、通常は全員を正社員として採用する場合が多いのですが、社員としての適性があるかどうかは正しく判断したいものです。そのため、試用期間の延長が考えられる場合は就業規則に試用期間を延長する場合があることを記載しておくことが必要です。

そして、試用期間延長には合理的な理由が必要なため、「試用期間中に社員としての適格性を判断できなかったときは、3ヶ月を限度として試用期間を延長することがある。」などの規定を就業規則に記載しておく必要があります。

なお、試用期間は労働者の労働能力や勤務態度などについての価値判断を行うのに必要な合理的範囲を超えた長期の試用期間は無効とした裁判もあるので、延長した期間も含め長くても試用期間は6ヶ月程度が適正だと思います。

パート社員には時給で給料を支払っているので、実際に働いた時間だけ給料を支払ったらよいので、有給休暇を与える必要はないのでは…という相談を受けることがありますが、有給休暇の付与日数は1週間に何日働いているか、1年で何日働いているかで決まるもので、月給・時給・日給とかの賃金の計算方法や正社員・パート社員などの社員の区別で決まるものではありません。

また、1日の所定労働時間で決められるものでもないので、清掃業務などで1日の所定労働時間が1時間のパート社員にも入社日から起算して6か月継続勤務し全労働日の8割以上出勤したときは、有給休暇を与える必要があります。

パート社員に付与する有給休暇は、
① 所定労働日数が週5日以上の者
② 所定労働日数が年間で217日以上の者
③ 週の所定労働日数にかかわらず、週所定労働時間が30時間以上の者

のいずれかに該当する場合には、一般の社員と同じ日数を与えなければなりません。

そして、1週間の所定労働日数が4日以下、かつ1週間の所定労働時間が30時間未満のパート社員の有給休暇の付与日数は次のとおりです。

① 週所定労働日数が4日または1年間の所定労働日数が169日から216日

勤続勤務年数0.5年1.5年2.5年3.5年 4.5年5,5年6.5年以上
付与日数7日8日9日10日12日 13日15日

② 週所定労働日数が3日または1年間の所定労働日数が121日から168日

勤続勤務年数0.5年1.5年2.5年3.5年 4.5年5,5年6.5年以上
付与日数5日6日6日8日9日 10日11日

③ 週所定労働日数が2日または1年間の所定労働日数が73日から120日

勤続勤務年数0.5年1.5年2.5年3.5年 4.5年5,5年6.5年以上
付与日数3日4日4日5日6日 6日7日

④ 週所定労働日数が1日または1年間の所定労働日数が48日から72日

勤続勤務年数0.5年1.5年2.5年3.5年 4.5年5,5年6.5年以上
付与日数1日2日2日2日3日 3日3日

労災保険は正社員・パート社員・アルバイトなどの雇用形態を問わず、必ず加入が必要で、保険料は全額会社が負担します。

雇用保険と社会保険については次に掲げる条件を満たすパート社員は必ず加入しなければなりません。

雇用保険
① 31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること。
② 1週間の所定労働時間が20時間以上であること。

※31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者とは、次のいずれかに該当する場合をいいます。
・期間の定めがなく雇用された場合
・雇用期間が31日以上である場合
・雇用契約に更新規定があり、31日未満での雇止めの明示がない場合
・雇用契約に更新規定はないが同様の雇用契約により雇用された労働者が31日以上雇用さ
れた実績がある場合

※入社時には31日以上雇用されることが見込まれない場合で、その後31日以上雇用されることが見込まれることとなった場合には、その時点から雇用保険が適用されます。

社会保険(健康保険・厚生年金保険)
① 1日の所定労働時間が、一般社員の概ね4分の3以上(一般社員の所定労働時間が1日8
時間であれば6時間以上)であること。

※日によって勤務時間が変わる場合は、1週間で合計し、所定労働時間の概ね4分の3以上である場合に該当します。

② 1ヶ月の所定労働日数が、一般社員の所定労働日数の概ね4分3以上であること。

※社会保険適用の拡大により、平成28年10月より従業員501名以上の会社では、次の要件に該当するパート社員は社会保険に加入することになります。
・週所定労働時間が20時間以上であること。
・年収が106万円以上であること。
・月収が88,000円以上であること。
・雇用期間が1年以上であること。

社会保険は保険料が高額で、会社負担分が2分の1あるため、社会保険料の負担を避けるため会社でパート社員を社会保険に加入させなかったり、パート社員が社会保険料を負担したくないため配偶者の扶養に入っていたりする場合がありますが、これは違法です。

役所の調査でパート社員の未加入が発覚すると、最大2年間さかのぼって保険料を徴収されます。この場合保険料の納付義務者は事業主ですので、パート社員の負担分も一旦会社が納付し、後日パート社員から保険料を徴収することになるのですが、徴収方法などでパート社員との間でトラブルになったり、パート社員が退職して徴収することができなくなる場合もあります。

パート社員であることを理由として一律的に残業を禁止している法律はありません。三六協定も法定労働時間内(週40時間以内)であれば提出の必要もありません。

しかし、子供の世話をしなければならない、介護しなければいけない家族がいるなど、自分の都合のよい時間帯に短時間の労働を希望しているパート社員には残業や休日出勤という考え方は、なじまない場合もあります。

また、パート社員は年収が103万円以下なら所得税の扶養親族になれる、141万円以下なら配偶者特別控除の対象になれるなど税法上のシステムに従い、働く時間を調整することにより年収を調整する場合も多いものです。

そのため、パート社員に残業や休日出勤をしてもらう必要がある場合は、面接時に残業や休日出勤をしてもらう場合があること、そして1日最大何時間程度の残業になるのか、1ヶ月の残業がどの程度になるのかを十分に説明をし、労働条件通知書などに所定労働時間を超えて働いてもらう場合や、所定休日に働いてもらう場合があると明記するする必要があります。

会社は労働安全衛生法第66条の規定により、常時使用する労働者を雇い入れるときは医師による健康診断を行なわなければなりません。そして、常時使用する労働者に対して、1年以内ごとに1回、定期に医師による健康診断を行わなければなりません。

この常時使用する労働者とは、

① 期間の定めのない労働契約により使用される者
期間の定めのある労働契約により使用される者であって契約期間が1年以上である者、契約更新により1年以上使用されることが予定されている者、現に1年以上引き続き使用されている者を含む。

② 1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上である者。
とされています。

そのため、パートであってもこの要件に該当する場合は、健康診断を行なう必要があります。

また、1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3未満であっても上記の①の要件に該当し、1週間の労働時間数が、当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の2分の1以上である者に対しても一般健康診断を実施することが望ましいとされています。

この健康診断の費用はについては事業主が負担することとされて、健康診断に要した時間に関しては賃金を支払うことが望ましいとされています。

定期健康診断の結果に異常の所見があり、二次健康診断の通知が来た場合、会社に二次健康診断を受けさせる義務や費用を負担する義務までは求められていませんが、脳や心臓疾患が発症し、会社にかける負担などを考えると、事業主が賃金負担しても健診させることが望ましいと思います。

パート社員にも労働基準法が適用されるので、次に掲げる例外を除き、解雇予告手当の支払が必要となります。(労働基準法第20条・21条)
・日々雇い入れられる者
・2ヶ月以内の期間を定めて使用される者
・季節的業務に4ヶ月以内の期間を定めて使用される者
・試みの使用期間中の者(採用から日から14日までの者)

また、たとえ2ヶ月の期間を定めて雇用契約を結んだとしても、契約を更新した後に解雇を行う場合には解雇予告手当が必要となります。

パート社員の解雇予告手当については、平均賃金ではなく、最低保証額で計算する必要がある場合があるので注意が必要になります。

例えば、過去3ヶ月の労働条件が時給1,000円、1日の労働時間5時間 月に12日働いていた場合で、3ヶ月の暦日の合計が91日の場合は次のように計算します。

平均賃金=3ヶ月の賃金総額÷歴日数
で計算するので、上記の場合の平均賃金は次のようになります。
平均賃金=(1,000円×5時間×12日×3ヶ月)÷91日=1,978.02円
(平均賃金は銭位未満の端数を切り捨てます。)

ただし、日給者・時給者または出来高制の者には平均賃金と最低保証額を比べて高い方を支払わなければなりません。最低保証額は次のように計算します。

低保証額=3ヶ月の賃金総額÷実労働日数×60%
で計算するので、上記の場合の最低賃金は次のようになります。
最低保証額=(1,000円×5時間×12日×3ヶ月)÷36日×60%=3,000円

解雇予告手当は平均賃金(最低保証)の30日分が必要となるので、上記の場合3,000円×30日=90,000円となり、90,000円以上の解雇予告手当てが必要になります。

平均賃金を使って計算した解雇予告手当よりかなり高額と成る場合があるので、注意が必要です。

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